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種子が温度を感じ、発芽の季節を決めるしくみを探る
私達の研究室では、「タネが芽を出す」という、至極当たり前のことを研究しています。タネが芽を出す(発芽)には、「水・酸素・温度が必要」、と、小学校で学んだかもしれません。乾いたタネは水を吸わないと細胞の中でいろんな反応が進まないし、酸素が無いと発芽に必要なエネルギーが作れないので、水や酸素が大事なことは、わかります。
さて、研究室でテーマにしている温度ですが、低すぎると反応が進まないでしょうし、高すぎると酵素が失活して反応が止まってしまうので、「発芽に適切な温度」があるのも、わかります。
では、植物種によって、発芽の適温が異なるのはなぜでしょう? 春に発芽する植物と、秋に発芽する植物があるのは、なぜでしょう? そこには、どんなしくみがあるのでしょう?
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川上直人
<研究略歴>
名古屋大学大学院農学研究科生化学制御専攻博士課程修了、植物(葉)の老化に関わる遺伝子の解析研究により農学博士。
1988年より横浜市立大学木原生物学研究所助手としてコムギの穂発芽と種子休眠に関わる研究に従事。
1997年に明治大学農学部専任講師、シロイヌナズナを材料とした温度による種子休眠・発芽制御機構の分子遺伝学的研究に着手。
2000年、生命科学科発足時に助教授、2009年から現職。この間、2008年にカナダのトロント大学客員教授。